大甕屋十郎太(おおがめや じゅうろうた) の日記
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千年熟成焼酎サーバーの構成と使い方
2011.02.17
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このサーバーは二つの備前焼の壺で構成されています。壺は陶芸家が壺という作品として造ったもので、サーバーのための容器を意図して造ったものではありません。陶芸作品としての壺を大甕屋が焼酎・泡盛の保存・熟成のための容器として実用し、さらに保存・熟成させながら何時でも酌み出したり、仕注ぎをしたりできるよう独自の工夫を施し、長期保存・熟成機能を持った焼酎サーバーとして制作したものです。
使い始めるにあたっては先ず二つの壺を良く水洗いし熱湯をかけるなどして清浄にします。壺が乾いたらお好きな焼酎・泡盛などの蒸留酒をそれぞれの壺に入れます。所定の方法で蓋、ポンプ、連通管などを組み付けます。ポンプは大甕屋独自設計の密閉型の構造で二つの機能を持っています。一つはもちろん酌み出す機能ですがもう一つは酒(蒸留酒)を壺の中で循環させる機能です。気が向いたとき、あるいは日課としてポンプを数回押して酒との対話をお愉しみ下さい。壺や台にも触れて慈しんで下さい。壺は備前焼の陶芸家安田 龍彦さんの作品です。台や蓋は、壺の大きさに合わせて大甕屋が制作したもので、材は欅です。ヌリは施さないで磨きこんであります。サーバーを生活の中の道具として可愛がって使っていただくことにより、サーバー自体の味わいも深まり、酒の熟成も進みます。このサーバーはポンプのバルブを切り替えれば何時でも酒を酌み出せますので、熟成させながら、その時々に何時でも味わっていただくことができます。一般的には半年も経てば香りも良くなり熟成が進んでいることを感じられる味わいになってきます。
ポンプの付いている1番壺から酒を酌み出しますが減った分は2番壺から連通管を通って自動的に補充されます。2番壷には容易に開閉できる子蓋がついています。ここから新酒を仕注ぎします。(仕注ぎとは既に熟成が進んでいる酒に新酒または熟成の浅い酒を注ぎ足す方法で能率的に熟成させる方法として伝承されています。)